岩手県立美術館様

盛岡駅の西方、新しい文化ゾーンである盛岡市中央公園の緑豊かな約2万m2という恵まれた敷地にあります。おおらかな風土や素朴で堅実な文化を継承する場として“素なるもの”をコンセプトに設計され、シンプルながらも存在感のある建物となっています。

展示スペース
1階に1223m2の企画展示室、2階に839m2の常設展示を備え、展示室の空間は個々の作品イメージを損なわないようシンプルな構成とされています。ボックスのように厚みがあり自在に移動できる箱型展示パネルは、絵画を架けたり、彫刻のバックに置いたりすることにより広い展示空間に一種のアクセント効果を生み出しています。

収蔵庫は3室あり、1階の中央部に集中して設けられています。周囲は企画展示室や学芸・普及部門の各室、グランドギャラリーに取り囲まれており、上層には2階がすっぽりとかぶさっているため、収蔵庫は外気と直接触れ合うことがなく、外部環境の影響をほとんど受けません。庫内はいずれもブナ材によるフローリングが施され、壁面・天井には杉材の小幅板を張り巡らせています。

絵画ラックは額装または包装した絵画をスチールの枠体に張ったワイヤーメッシュにフックで吊り下げておく専用設備です。枠体はごく軽く音もなく引き出せ、また枠体下部の受け台は作業時に絵画の仮置きをする台として使用するほか、大きな地震がきても作品同士が当たり合うのを防ぐと同館からも評価されています。

収蔵庫内の柱まわりや壁面にセットされたワイヤーメッシュに、鋳造作品や石彫作品、彫刻の原型や工芸品などの高さがあるものをくくりつけて保管しています。

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